NICU(新生児集中治療室)での長いがんばりを経て、待ちに待った我が子とのご自宅での生活。「やっと一緒に暮らせる」という大きな喜びと同時に、「病院のようなモニターがないけれど大丈夫かな?」「小さな我が子を自宅でどう育てていけばいいの?」と、深い不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
早産で生まれたお子さまの在宅生活では、いくつか知っておきたいポイントがあります。この記事では、退院後のおうちでの生活で気をつけるべきことや、家族が安心して育児を進めるためのヒントを分かりやすく解説します。
目次
健やかな成長を支える「おうちの環境」と「感染症対策」
予定日より早く生まれたお子さまは、まだ免疫機能や体温調節の機能が未熟な状態で退院することがあります。まずは、おうちの環境を整えてあげましょう。
徹底したい「感染症対策」と手洗い
早産児にとって、RSウイルスやインフルエンザなどの感染症は重症化のリスクがあります。
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家族全員の「帰宅後の手洗い・うがい・消毒」を徹底する
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生後数ヶ月の間は、人混みへの外出や、大人数での面会をできるだけ避ける
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同居する家族(特に上のお子さまなど)が風邪をひいた場合は、可能であれば部屋を分けるなどの工夫をする
室温と湿度のコントロール
体温調節が苦手なため、大人が「心地よい」と感じる環境よりも少し細やかに配慮してあげます。室温は20~25℃前後、湿度は50~60%を目安に、エアコンや加湿器を活用して一定に保ちましょう。
授乳と体重増加:「修正月齢」でゆったり見守る
退院後、最も気になるのが「おっぱい(ミルク)をしっかり飲めているか」「体重が増えているか」ということです。
成長の基準は「修正月齢」で考える
早産児の発達や発育(体重・身長)を見る時期は、生まれた日ではなく、本来の「出産予定日」を基準とした【修正月齢】で算出します。母子手帳の成長曲線や育児書の基準と比べて「うちの子は小さい、遅れている」と焦る必要はありません。主治医や看護師と一緒に、その子なりのペースで増えているかを確認していきましょう。
授乳は「一度にたくさん」よりも「こまめに」
哺乳力がまだ弱く、おっぱいを飲む途中で疲れて寝てしまうこともよくあります。1回に飲む量が少なくても、回数を増やしてトータルの量を確保するなど、お子さまの体力に合わせた授乳スケジュールを組みましょう。
迷ったらここをチェック!受診を迷うときのポイント
病院とは違い、アラームが鳴らない在宅育児では「これって病院に連絡すべき?」と迷う場面が多々あります。以下のような様子が見られたときは、かかりつけ医や訪問看護師へ早めに相談しましょう。
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普段に比べて、ミルクやおっぱいの飲みが明らかに悪い
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あやすといつもは反応するのに、なんとなく元気がなく、うとうとしてばかりいる
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呼吸がいつもより早い、または呼吸をするときに胸の陥没(ペコペコ凹む)が見られる
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生気のない顔色(青白い、またはグレーっぽい)をしている
当事業所のサポート事例(新宿区・Dくん・修正0ヶ月で退院のケース)
NICU退院直後から訪問看護を取り入れ、おうちでのペースを掴まれたご家族の事例です。
【事例】在宅酸素を継続しながら予定日前後に退院したDくん(生後2ヶ月・修正0ヶ月)
お母さまは「酸素チューブの管理や、哺乳量が足りているか心配で夜も眠れない」と深く悩まれていました。そこで退院翌日から週3回の訪問看護を開始。看護師が訪問時に体重を測定し、Dくんの体力に合わせた授乳の工夫をお母さまと一緒に実践しました。また、週に1回は夜間の見守りを自費(プライベート看護)で導入いただき、お母さまがまとまった睡眠をとれるようにサポート。数ヶ月で酸素も外れ、今では修正月齢に合わせた離乳食の相談などを笑顔でお話しされています。
よくある質問
Q. NICUの看護師さんから教わった通りに家でもケアをしなければいけませんか?
A. 病院での管理は一つの目安ですが、おうちの環境やご家族の生活リズムに合わせて、少しずつ「我が家流」にアレンジして大丈夫です。何より大切なのは、ご家族が無理なく続けられることです。やり方に迷ったときは、地域の訪問看護師などに相談しながら、おうちでのベストな方法を見つけていきましょう。
Q. 退院後、上の子(イヤイヤ期)との接し方に悩んでいます。感染症も心配です。
A. 上のお子さまがいる場合、完璧な隔離は難しく、また上のお子さまの心のケアも大切です。まずは「外から帰ったらおててを洗おうね」というルールを一緒に楽しむことから始めましょう。どうしても手が回らないときは、訪問看護師を頼んで、看護師がお子さまを見守っている間にお母さまが上のお子さまと2人きりの時間を過ごす、といった活用法もおすすめです。
一人でがんばらず、退院後の安心を一緒に作っていきましょう
NICUを退院してからが、本当のスタートです。でも、ご家族だけで病院と同じ役割をこなそうとする必要はありません。小さく生まれたお子さまのケアに慣れた看護師を上手に頼りながら、一歩ずつ、おうちでの楽しい思い出を増やしていきましょう。私たちはいつでもご家族の味方です。




